煮詰まったときに救いとなった「他社交流」。私が正解のない人事業務と向き合う方法

北田さんがSGグループに入社し、人事に至るまでの過程を紹介した前回。続く後編では、異動後に直面した同社の若手育成に関する課題や、それを受けて2022年11月から開始した新評価制度の全貌を紹介。さらに、制度の見直しと同時に導入したカオナビというツール浸透の裏側にも迫りました。
【前編はこちら】
*本記事の掲載内容はすべて取材時(2023年2月17日)の情報に基づいています

Profile

北田 かおり

SGグループ株式会社
コーポレート部 グループ人事課

2018年、株式会社サウンズグッドに入社。メディカル事業部で派遣スタッフの採用業務を一通り経験後、SGグループ株式会社のグループ人事課に異動。カオナビの運用や人事評価制度の見直し・運用を担当している。カオナビのユーザー主催企画「もくもく会」では運営メンバーとして参加。特技は手話。

若手育成の課題を受け、評価制度改革に乗り出す

現在の人事課題を教えていただけますか?

北田さん

「2021年に社員を対象としたエンゲージメントサーベイを行ったところ、『評価がどう給与に反映されているのかわからない』『研修制度が充実していない』『給与が上がりにくい』という3点を課題に挙げる声が多かったんです。社内の平均年齢はおよそ33歳で若く、若手を育てると言って採用もしていますが、なかなか若手が育つ環境をつくれていないことがわかりました。そこで、まずは会社全体で人事評価制度の大きな改革に乗り出しました」

改革はどうやって進めたのですか?

北田さん

「とにかく、これまで不明瞭だったものを明確にすることに注力しました。まずは支店長級、課長級といったグレードと、そこに紐づく給与水準が妥当かというのを、他社と比べながら現状把握を行いました。そして、グレードと給与水準を明確化した後、社外のコンサルティング会社や社会保険労務士の方にも依頼し、ディスカッションを繰り返しながら評価基準も明確化。そうやって作り上げた評価が、給与の増減にどう結びつくかも、あわせて明確にしていったんです。入社5年目の私の意見も求められる場面が多々あり、若手の意見も尊重した制度ができあがったと感じています」

元々の評価制度と大きく変わったポイントはどこですか?

北田さん

「まず、会社の行動指針を体現できているか、行動や成果に至るまでの過程を評価する『バリュー評価』を導入しました。また、それまでの目標設定は、自由度が高すぎて達成難易度の個人差が大きかったんです。そこで『プロセスにおける目標』『自己成長における目標』というテーマを設定するなど、設定方法を指定することで、適正な目標設定に誘導しました。また、達成度の判断基準も設けることで、上長の主観に左右されることなく、客観的な評価になるように工夫しました」

煮詰まるときもあった人事の仕事。助けになったのが他社との交流

そうした制度の見直しを行うなかで、カオナビへの情報集約や社内浸透も同時に行っていったわけですね。

北田さん

「はい。ただ、もともと社内にマスターデータのようなものがなく、情報を集めるのは大変でしたね…。人員情報が必要な各部署がそれぞれ別個で管理しており、更新も各々でやっていたため、簡単に一本化できなかったんです。どれが一番正しい情報かわからなかったので、関係各所に確認しながら、情報をカオナビに集めていきました。社内浸透に関しても、現状維持バイアスがどうしてもありますし、ただ押し付けるわけにはいきません。そのため、カオナビを入れることでどう変わるのか、何ができるのか、資料を作って説明し、理解促進を図りました。資料では、各機能について『できること』と『お願いしたいこと』を区別して説明したんです。たとえば『プロファイルブック』であればプロフィールの閲覧や年齢・勤続年数の自動計算などができること。そして、『入力個所の確認』や『職歴・プロフィールシートの入力』をお願いしたいこととして説明しました。また、社用携帯番号やメールアドレスといった各社員が日常で使う情報も意識的に集約することで、カオナビにアクセスするきっかけもつくりました」

日常的に使う情報をカオナビに集約することも、浸透で大事な部分ですよね。

北田さん

「そうなんです。ただ、 『人事は孤独だ』と時折言われますが、守秘義務もあって誰にでも相談できるわけではないし、他社の情報も求めにくい。正解がない領域ですから、カオナビの運用に限らず、人事業務で煮詰まってしまうこともありました。そんなとき、カオナビの作業を黙々と進める『もくもく会』に参加できたのは、すごく助けになりました。カオナビの担当の方に質問しながら設定作業ができるのはもちろん、ちょっとした業務に関する疑問点をほかの人事の方に聞くことができるんです。社外の人事の方と交流できる場って本当に貴重ですよね。『もくもく会』の企画・運営メンバーにも声をかけてもらって、気づけばカオナビさんのオフィスにも毎月のように訪問するようになりました(笑)」

北田さんも参加している「もくもく会」の様子はこちら

仕事は社内全体をめぐる川。だから、流れを自ら止めない

そんな北田さんが、人事の仕事を行う上で大事にしていることはありますか?

北田さん

「上長の受け売りですが、『川の流れを自ら止めないこと』です。仕事は社内全体をめぐる川のようなもので、一箇所でせき止めてしまうと、その後の流れが滞ってしまいます。だからこそ、自分の手元で止めないことはすごく意識しています。とくに人事は部署内だけで完結する仕事ではなく、関係各所と連携することが多いので。例えば、先輩の手元が止まってしまいそうだったら私が引き受けますし、私が滞っているときはお願いすることもあります。こうした仕事の流れは、自分の手元だけを見ていてはできませんから、常にプロセス全体、プロジェクト全体を見る俯瞰の目が必要です。そうした俯瞰した視点は、人事に異動してから鍛えられたと感じます。こうした視点は人事に限らず、どの社員にとっても必要だと思うので、全体のなかで自分はどういった立ち位置にあるのかを意識できる環境があれば、個人も会社も成長できると感じるんです。そのため、私自身が鍛えられたような俯瞰した視点を養える環境を、いずれ作りたいと考えています」

私の考えや工夫がすべて反映されたのがカオナビ

ありがとうございました!最後に今の仕事のやりがいを聞いても良いですか?

北田さん

「今は社内から『カオナビ』の4文字が聞こえてくる瞬間が、もう最高に嬉しいんです。『この件はカオナビを見たらわかりますね』とか『カオナビを見たら解決しました』といった声など、カオナビを褒めてもらえる以上の喜びはありません(笑)。人事としての私の考えや工夫がすべて反映されて、かたちになったのがカオナビだと考えているので。もっと言うと『こんなことカオナビで解決できないかな?』といった相談もとても嬉しい。それって、カオナビへの期待を込めた提案ですよね。だからこそ、なんとかカオナビを使って実現したいと、自然とやる気が出てくるんです」

編集後記

手話の経験から、自分の考えが相手にちゃんと伝わっているかをより意識するようになったと話す北田さん。その理屈で、自分の考えや工夫をかたちにしたものがカオナビと考えるからこそ、その良さがきちんと社員の方に伝わっているか、常に反応を確認しているそう。だからこそ、社内から「カオナビ」の4文字が聞こえてくる瞬間が最高に嬉しいと話してくださったんですね。「できることならカオナビだけやっていたい」「仕事のやりがいはカオナビを褒めてもらえること」と言っていただけるほど、カオナビの運用に力を入れてくださっている北田さん。カオナビをある種、自分の考えをかたちにするツールとして認識してもらっているのは、新しい使い方をみたような気がしました。

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会社概要

社名 SGグループ株式会社
設立 2009年5月1日
事業内容 人材派遣事業、有料職業紹介事業、アウトソーシング/BPO事業、紹介予定派
従業員数 329名(2020年4月時点)
会社HP https://www.sounds-good.co.jp/

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