素朴な”問い”こそ原動力。環境問題に興味を持ってから人事に転身するまで|前編

廃棄物処理時に発生するCO₂の削減など、環境問題に対応するITソリューションを中心に展開する株式会社JEMS。2024年に設立から30周年を迎える同社で人事を務める古田慎悟さんは、幼少期の頃、田舎から都心部に引っ越したのを機に、空気の違いに着目し、そこから環境問題に興味を持つようになりました。

大学では空気の研究をするために気象学を専攻。そして就職活動の時期となり、これからの時代に欠かせないITと環境問題をかけ合わせた事業に目が止まり、JEMSに入社を決めました。入社直後から経営戦略室に配属され、新卒ながら幅広い業務を経験したといいます。

前編では、そんな古田さんが環境問題に興味を持ったきっかけから、現在の会社に入社し、人事に至るまでの過程について話を聞きました。

後編ではJEMSの人事課題や人事施策について話を聞きました

Profile

古田 慎悟

株式会社JEMS
人事労務課 人事チーム

大学では空気の研究をするために気象学を専攻。新卒で、これからの時代に欠かせないITと環境問題をかけ合わせた事業に目が止まり、JEMSに入社。入社直後から経営戦略室に配属され、幅広い業務を経験。カオナビの導入をきっかけに人事業務にも携われるようになり、現在は社内教育制度の運用や社内規程の整備、テレワークなど新しい制度の設計なども行う。

幼少期に身をもって感じたきれいな”空気”。引っ越しによる違和感から環境問題に興味を持つ

新卒からJEMSで勤務されているそうですが、入社の決め手は何でしたか?

古田
さん

「大学の専攻も含めて自分の興味とマッチしていると感じたためです。小さい頃から環境問題に興味があり、なかでも大学では気象学を専攻していました。簡単に言うと、地球の空気について研究する学問です。JEMSもそんな環境問題をITで解決することを掲げていたので目に留まりました。環境問題に興味があったのはもちろん、これからの時代には欠かせないITスキルも身に付けたいと思っていたので、双方が合致する会社ということで入社を決めました」

環境問題に興味を持ったきっかけは何だったんですか?

古田
さん

「私は千葉県の安食(あじき)という栄町の出身なんですが、そこは田舎であることもあって、空気がすごく澄んでいるんです。その環境で育ったのちに、千葉市の中心部に引っ越しました。すると、これまでの環境とは空気がまったく違い、当時は呼吸するだけで少しむせてしまう経験もしたんです。そこで『なぜ、こんなに空気が違うんだろう?』と思い、子どもながらに勉強しました。その結果、都市開発によって温室効果ガスが増えていることが大きな原因であることを知りました。そこから気候変動や地球温暖化といった環境問題に興味を持ち始めたんです」

 

「会社に言われたから」ではなく、自ら考える大事さを学んだ新卒時代

入社後はまず、どんな業務に取り組みましたか?

古田
さん

「経営戦略室と呼ばれる部署に配属されました。経営戦略室では、JEMSのフィールドとしている環境に関する新規事業の開拓や自社内データの利活用の取り組み、また当時、経営課題としていた社内教育制度の運営・企画などを行いました。社長直下のポジションということもあり、新卒ながら幅広い業務を経験できましたね」

入社したばかりで幅広い業務に取り組むことになり、苦労はありませんでしたか?

古田
さん

「新卒研修、既存社員向け研修をはじめとした社内教育制度の運営がとくに大変でした。もともと上長が一人でやっていたものを引き継いだのですが、経験も知見もないなかで、不安でいっぱいでしたね。本当に運営することができるんだろうかという気持ちでした。教育制度の運営に限らず、やはり最初のうちは未熟な部分が多かったなと感じます…」

 

どんな部分に未熟さを感じたのですか?

古田
さん

「とくに、稚拙な発言が多かったように思います。例えば新規事業の話でも、発想ばかりに重点を置いて考えており、実現可能性をまったく考慮できていませんでした。費用対効果を何も考えてない発言をしてしまい、上司から突っ込みが入ることも多かったですね。また、社内教育制度の運営では、制度の意義をきちんと理解できないまま上司から引き継いでしまい、受動的になってしまいました。会社に言われたから取り組んでいる状態でしたので、自ら仮説を立てて改善を行うなど考えることをおろそかにしてしまい、今思うともったいない期間だったと感じています…」

学生時代の吹奏楽経験で知った、試行錯誤の面白さ

そうした時期も乗り越えて、現在は人事領域を担当しているわけですが、人事に異動したきっかけは何でしたか?

古田
さん

「一番大きかったのは、カオナビの導入です。当時、元々いた経営戦略室が組織戦略室という名称に変わり、そのなかに中途採用に関わる人事業務も包括されました。そしてあるとき、顔と名前の一致をはじめとした社員情報の集約や、人事業務の効率化の観点からカオナビ導入の話が上がり、同じ部署にいた私も導入プロジェクトに入ることになったんです。そのためカオナビの導入をきっかけに、人事領域も知るようになりました」

そこから現在も、カオナビの運用がメイン業務ということですか?

古田
さん

「はい。また、社内教育制度の運用も継続しています。そのほか、社内規程の整備やテレワークなどの新しい制度の設計なども行っており、一口に人事と言っても幅広い仕事があるんだなと感じていますね」

経営戦略室時代の経験が、人事業務に活きていると感じることはありますか?

古田
さん

「とくに、ITツールに触れた経験が活きていますね。経営戦略室では、VBAやPower Automateなど、Microsoftが提供している効率化ツールを用いて、業務を効率化するための仕組みをいろいろと作りました。たとえば社内教育制度の利用や社内図書の貸し出しなど、以前はメールでやり取りをしていたのですが、アンケートフォームを作って自動化できるようにしました。そうした業務の効率化につながるような仕組みを考えること自体が好きなので、カオナビの運用も楽しみながらできている部分があります」

そんな古田さんが、人事として働かれるなかで、大切にしている考え方を教えてください。

古田
さん

>「まず、ゴールを考えることです。目の前の物事に囚われて、とりあえずタスクをこなすことを繰り返してしまうと、最終的にやりたいことや目指すべきものがわからなくなってしまいます。そのため、基本的なことかもしれませんが、何がゴールなのかをまず考えた上で、そこを見据えていま何をやるべきか要素分解するように心がけています

古田さん自身、空気の違いに疑問を持って研究したり、ゴールを自ら設定してやるべきことを決めたりなど、考えることがお好きなんですね。

古田
さん

「そうですね。小さい頃からあれこれと考えるのが好きでした。元々、中学時代に吹奏楽部に所属しており、打楽器パートの中でもメインでドラムをやっていました。音楽は楽譜があり、楽譜通りに演奏するのが基本ですが、曲によってはドラムの譜面にアドリブがあるんですよ。それをどのように叩くのか、考えるのが好きでした。このときから、試行錯誤することの面白さを感じていましたね。どう叩くかを考えるための材料として、演奏会によく聞きに行くこともありました。また、同じ曲でも団体によって演奏の仕方が違うので、動画サイトで聴き比べることもありました。それに、楽器に対してスティックの先の方を当てるのか、真ん中を当てるのかによっても、音色が変わるんです。そうやって、曲に合わせてどういう叩き方をしようか考えるのが好きだったので、同様に仕事でも考えながらいろいろなことを試すのが好きなんです

 

 

続く後編では、JEMSの人事課題を踏まえて、古田さんの今後のミッションなどを聞きました。

*本記事の掲載内容はすべて取材時(2023年7月5日)の情報に基づいています

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会社概要

社名 株式会社JEMS
設立 1994年4月1日
事業内容 排出企業向け廃棄物処理手続きにおけるリスク可視化、適正管理支援、資源循環企業向け基幹システム構築、自治体向け基幹システム構築、災害廃棄物に関わる管理システム構築
従業員数 288人(2022年10月時点)
会社HP https://www.j-ems.jp/

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