「志の継承」が私の目標。10年後、20年後も創業メンバーの情熱が次世代に伝わる組織を作りたい(後編)

コロナ禍で急増したコミュニケーションの課題。キュラーズも例外ではなく、とくにコロナ禍直前に中途入社した原さんは、孤独感を感じ、精神的にしんどい時期もあったと話します。その状態をどうやって乗り越えてきたのか。後編では、原さん自らの経験をベースに取り組んだコミュニケーション課題の解決策や、『志の継承』と呼ぶこれからの目標について話を聞きました。

【前編はこちら】

Profile

原 弥生

株式会社キュラーズ
人事総務部 アソシエート

新卒で呉服屋に入社後、販売員を経験した後、総務課へ異動。その後、採用や研修といった人事業務に携わりたいとの思いからキュラーズに転職。キュラーズでは人事総務部として、社内規定の理解促進や新入社員研修を担当するほか、コロナ禍でのコミュニケーション不足を解消するために月一回の社員交流会なども企画・運営している。

在宅勤務で感じた孤独感。「会って話をしたい」から提案した交流会

キュラーズに転職し、順調に人事の経験を積まれているように感じますが、入社後、苦労したことはありますか?

原さん

「苦労で言うと、入社直後に第1回目の緊急事態宣言が発令されて、在宅勤務になりました。質問したいことがあっても、オフィス勤務のときのように聞くことができない。コミュニケーション不足から孤独感を感じ、精神的にしんどい時期がありましたね…

どうやって乗り越えたのですか?

原さん

「上司に相談したところ、毎日短時間のミーティングを設けて業務の報告を行う時間を作ったり、お昼の時間にオンラインで雑談する機会を設けたりと、さまざまな工夫をしてくれました。ただ、やはり顔を合わせて話がしたいと強く感じましたね。私を含め、コロナ禍以降に入社した従業員は、他部署の人たちと普段メールやオンラインでやり取りはしていても、直接会って話したことがないケースが珍しくありません。キュラーズは中途採用がメインで、入社タイミングもバラバラなので、同期のような存在がいるわけではありません。にもかかわらず、転職した会社で、一人で仕事をする時間が長くなるのはやはり心細い。そのため、新入社員を集めた交流会を提案したんです

具体的にはどんなことをするんですか?

原さん

「対象となるのは、コロナ禍以降に入社した社員です。入社時期の近い社員同士、集まって仲間意識が芽生えればいいなと、月に1回オフラインで開催しています。自己紹介を改めてしたり、性格診断を各自で行ってその内容を共有したりすると盛り上がるんです。もちろん、地方在住の社員など、出社が難しい場合はオンラインでの参加も可能です。また、カオナビには従業員の写真が登録されていますよね。顔をあまり合わせたことがない人もいるなかで、顔と名前を一致させるコンテンツとして、交流会の場で楽しく活用したいと思っています。」

ゲーム要素もあると、盛り上がりそうですね!交流会に参加された社員の方の反応はいかがですか?

原さん

「みなさん、私と同様に他の人と交流したいという意欲をお持ちだったので、楽しんで参加しているようです。また、交流会で顔を合わせると、コミュニケーションのハードルが下がるようでした。というのも、私は人事総務部で一番若手なので、人事に関する相談や依頼は上司に持ちかけられるのが普通なのですが、交流会で参加した社員の方が私に気軽に相談してくれるようになったんです

やはり、リモートワークが主流になっても、リアルでつながる機会は大事なのですね。

原さん

「はい。そうだと思います。私自身、働く環境を整えて社員が業務に集中できるようにすることが、人事総務の役割だと考えています。物理的に快適なオフィス環境を整えることもそうですし、交流会のような取り組みでストレスを減らしたり、コミュニケーションを促したりすることで働きやすい環境を提供できるのは大きなやりがいです。キュラーズの人事総務部のミッションとしても、『適材を適所に。適切な報酬と良い職場環境の提供』を掲げています。このミッションを軸に、引き続き人事として、みなさんが働きやすく、パフォーマンスを発揮できる環境を整えていきたいんです」

密かなテーマは「志の継承」。次の世代に創業メンバーのパッションを伝えたい

そんな原さんが、人事の仕事をする上で大切にしている価値観はありますか?

原さん

「人事総務部にとって、従業員がお客さまであること。そして、自分ごとで考える。この2点です。販売員の仕事は、目の前のお客さまが望んでいることを想像しますよね。それと同じで、人事総務は自社の従業員が求めていることは何か、より良い職場環境を作るために必要なことは何か、それを常に考える必要があります。なおかつ、私自身もキュラーズの社員なので、自分であればどうするのかという視点を持つと、社員の気持ちにも寄り添いやすくなり、行動にも移せるようになると感じています」

ありがとうございました!最後に、原さんが今後取り組みたいことを教えてください。

原さん

「私個人が密かに考えていることなのですが、創業期メンバーの熱量がしっかりと次世代に伝わる環境づくりに取り組みたいんです。キュラーズは2001年に設立した会社で、いま中心で事業を引っ張っているメンバーは、会社だけでなく『トランクルーム業界を牽引するぞ』というパッションを持っています。時間と共に社員が増え、組織構成が変わったとしても、彼らが持っているキュラーズに対する想いを、途切れないように私たち若手が引き継ぎ、さらに次の世代に引き継ぐのが大事だと思うんです。その思いが、会社の原点でもありますから。もちろん、まだまだ人事としても学ぶことが多く今すぐにできるわけではないのですが……。でも、若手やこれから入ってくる人たちが、自然と同じ想いを共有できる環境づくりが目標です。私はこれを『志の継承』と呼んでいます。キュラーズに対するパッションを誰でも言えて、自然と沸き出てくるような場。刺激になるイベント。そして、安心してそこにいられるような環境を提供し続ける、維持させるのが、キュラーズ人事総務としての取り組みだし、目標だと思っています」

編集後記

呉服屋の販売員としてキャリアをスタートした頃は、想像もしていなかったであろう人事の道。「まだまだ人事としては経験不足です」と謙遜しながらも、「志の継承」が目標だという会社視点の考えや、新しく入社された方のコミュニケーション課題を解消するために交流会を開催するといった従業員視点の考え、双方の視点で人事業務に取り組む姿が印象的でした。最初は「緊張してます」と話していましたが、堂々と自分の思いを発信する熱量は他の方にも伝わり、原さん自身も『志の継承』を担う一人になるんだろうなと感じた取材でした。

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会社概要

社名 株式会社キュラーズ
設立 2001年8月2日
事業内容 レンタル収納の所有と運営
従業員数 214名(2022年1月現在)
会社HP https://www.quraz.com/company/

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