1on1は何のためにやっている?|ヨコガオアンサー

人事担当者であれば気になるテーマに対し、多様な回答を伝える特集が、この「ヨコガオアンサー」。過去、人事のヨコガオにご登場いただいた方々に、ひとつの質問を投げかけ、回答してしてもらいます。

今回の質問は「1on1は何のためにやっている?」。1on1の目的を踏まえ、具体的な運用方法まで教えてもらいました!

キュラーズ 原さん「上司と部下でどんなことでも躊躇なく話せる関係性を築くため」


株式会社キュラーズ | 人事総務部 アソシエート 原弥生さん

「当社では10年以上も前から多くの上長と部下が実施しています。日々の業務の進捗状況を確認する場ですが、大切なのは、目の前の相手にフォーカスしてコミュニケーションすることだと感じています。毎週もしくは隔週で多くの場合たっぷり1時間を使って行います。気がかりなことを相談したり、将来の目標、ワークライフバランス上の課題などいろいろなことが話し合われているようです。当社の離職率の低さは上長と部下の密なコミュニケーションとも関係していると思います。運用上の工夫ですが、私のチームでは、話し合ったことは必ず記録するようにしています。1on1やチーム会議で話したこと、決定事項は業務管理アプリに記録します。互いの認識があいまいな部分を解消し、せっかく話し合ったことがいつの間にかうやむやになることも避けられます。タスク管理以外のことは、カオナビのプロファイルブック内に設けた『メモ』に記録を残します。何より良いことは、1on1を継続することで、どのようなことでも躊躇なく話せる関係性が築けたことだと思います

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阪急阪神マーケティングソリューションズ 深田さん「『行動計画の達成度確認』と『エンゲージメントを高める』ため」


阪急阪神マーケティングソリューションズ株式会社 | エンゲージメント局 総務人事セクション 部長 深田浩嗣さん

「管理職には、話法やモチベーションに関する理論を研修で伝え、メンバーの自主性・専門性を尊重したコミュニケーションを取るようにお願いしています。さらに、メンバーの成熟度・意欲によってリーダーシップのスタイルを変え、指導の方法をカスタマイズすることも必要だと考えており、研修でフォローアップしています。面談の結果はカオナビに入力し、面談者のみならず、その上長も閲覧できるようにしました。このように、1on1を管理職とメンバーの貴重なコミュニケーション機会と位置付け、社員が最大限に能力を発揮できる環境づくりに取り組んでいます」

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うるる 神崎さん「『部下のための時間』と位置付け」


株式会社うるる | 人事部 採用・組織開発課 課長 神崎智恵さん

「実施頻度は全社で統一はしていませんが、月次面談(人事評価面談)とは別の場で、上司と部下がコミュニケーションを取れる機会を作るよう強く推奨しています。日常の業務に関する話から中長期的なキャリアについての対話も行いますが、リモートワークが浸透している社内において、雑談の時間を意図的に含めているメンバーも多くいます。部下にとって有意義な場であったり、そもそも1on1の時間が苦ではなく楽しみになるように意識しています

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湖池屋 大倉さん「若手と先輩社員のコミュニケーション活性化のため」


株式会社湖池屋 | 経営管理本部 人事部 人材マネジメント課 大倉 奈々さん

「元々、コロナ禍で新入社員が社内でネットワークを築きづらいという課題が表面化したことを受け、『手挙げ式のナナメ1on1』を導入しました。そのため、とくに若手社員と先輩社員のコミュニケーションを活性化させるのが主な目的です。カオナビに書かれた自己紹介や経験職種などの情報を見て面談したい人を指定し、申し込む仕組みとなっています。メーカーという事業上、他部署との『ナナメ』のつながりも重要です。そのため、開発の社員が営業経験のある社員に話を聞くなど、考え方や人脈の幅を広げる狙いがありました。若手社員からは『日頃の疑問や不安が解消できた』という声はもちろん、メンターとなった先輩社員からも『自分自身の振り返りになった』と良い反応をいただいています。1on1では、カオナビのスマートレビュー機能を活用し、相談事項やフィードバック、それを受けたネクストアクションも入力してもらっています。カオナビで1on1の内容を可視化したことで、自分自身を振り返り、行動変容につなげるきっかけになっているようで、形骸化することなくやり遂げられています」

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ミュゼプラチナム 畠中さん「コミュニケーション量を増やすため」


株式会社ミュゼプラチナム 人事部 部長 畠中裕一さん

「全社的に1on1を導入しているわけではないのですが、コミュニケーション量を増やすことを目的に、人事部内で昨年から試験的に実施しています。評価面談とは切り分け、面談される側が望まない限りは業務につながる話題は避けるようにしてもらっています。面談する側もされる側も当初は話題に困っていたようですが、結果的に業務上のコミュニケーションが増えたように感じています。個人的にはメンバーからリーダー、マネージャーに上がっていく過程で面談する側の立場を経験させることがマネジメントスキルの向上にもつながると考えているので、今後は他部署にも拡大しながら取り組みを継続していきたいと考えています」

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クロス・マーケティンググループ 堺さん「目指す状態と現在地のギャップを埋めるため」


株式会社クロス・マーケティンググループ | コーポレート本部長 堺啓一さん

「将来目指す状態と現在地のギャップを埋めるために、何にどのように取り組んでいけば良いか、すり合わせを行う時間として位置付けています。マネジメント初心者でも、1on1での会話ポイントが明確になるよう、『現グレード』『1つ上のグレード』『1つ下のグレード』に求められる要件を『スマートレビュー』上で常時見えるようにしておき、それを確認しながら1on1に取り組んでもらっています」

堺さんを取材した記事を読む

各社の回答を見てみると、1on1の目的を「上司と部下のコミュニケーション機会の提供」と定めているケースが多いようですね。また、ナナメ1on1を導入して他部署との交流を促したり、目指す状態と現在地のギャップを埋める時間と、位置付けている例もありました。いずれにせよ、「部下の成長を促す場」であることは共通点と言えそうです。

今回紹介した施策まとめ

■上長と部下で、どんなことでも躊躇なく話せる関係性を築くため
■「行動計画の達成度確認」と「エンゲージメントを高める」ため
■「部下のための時間」と位置付け
■若手と先輩社員のコミュニケーション活性化
■コミュニケーション量を増やすため
■目指す状態と現在地のギャップ埋めるため

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