人事施策とシステムの連動で「人的資本経営」を推進。人事の取り組みが社内で認められるまでの道のり

第1回 関西ワークスタイルカンファレンス」で、「人的資本経営・従業員エンゲージメント大賞」を受賞した株式会社エイコー。当日は、エイコー社のカスタマーサクセス担当である酒井さんも登壇しました。北村さんから「酒井さんと一緒に登壇したい」と、声をかけてもらったのがきっかけです。

中期経営計画の戦略テーマの一つとして「学習と成長」を掲げ、人的資本経営に向けた取り組みを支えるシステムとして「カオナビ」を活用する同社。当日のセッションでは人的資本情報のポータルサイトとしてカオナビに人材情報を一元化することで、従業員が自身の立ち位置を確認したり、上司が部下への解像度を高めたりなど、キャリア開発におけるシステムの活用例を紹介しました。

そんなエイコー社の取り組みを主導したのが北村さん、そしてカオナビの活用を支えた1人が酒井さんです。今回は2人の対談を通じ、カオナビとユーザーさまの関係性や、人事の取り組みが社内で認められるまでの道のりに迫ります。

※写真左:株式会社カオナビ カスタマーエンゲージメント本部 酒井結衣さん、写真右:株式会社エイコー 経営戦略ディビジョン ディビジョンマネージャー 北村直也さま

まるで太陽みたいな存在。2人の最初の出会い

酒井さん

「北村さんと初めて会話したのは、2023年の2月頃でしたね。初回ミーティングのときのこと覚えていますか?」

北村さん

「当時のことはよく覚えています。酒井さんにお会いしたときの印象は『笑っている人』でした。 酒井さんって、いつも笑顔でパソコンの画面に出てくるんですよ。アイスブレイクで『最近どうですか?』みたいな会話をせずとも、最初から良い雰囲気で始められるので、すごくありがたかったです。毎回、気持ちの良いコミュニケーションのスタートをつくってもらっています」

酒井さん

「私は、北村さんがZoomに入室したときに『北村(AB)』という名前になっていたのが印象に残っています。『どういうこと?』って思って(笑)。名前の後ろにその表記をされている方が初めてだったので衝撃でした」

北村さん

「Zoomで研修するとき、A、Bなどのグループに分かれてブレイクアウトルームに移動すると思いますが、その設定の名残りでした(笑)。血液型がAB型なので、(AB)と表記し直したのですが、初めての商談では大体『AB型なんですか?』と聞かれるので、アイスブレイクに使えるんですよ。振り返ると、酒井さんはまるで太陽みたいな存在でしたね。笑顔で商談に入ってこられる方で、私たちと一緒に仕事をする上でも大きな安心感につながっていました。温かな雰囲気をごく自然に体現されている方だと感じています」

酒井さん

「模範回答みたいですね(笑)。でも、そう言ってもらえてうれしいです。『いつも笑顔だね』と言っていただくことはありますが、正直、自分では特別に意識していることはありません。ただ、お客様と接点がある中で、どんな話でも気軽にできる存在でありたいと思っています。それが悩みごとでも、『こんなことができました』という報告でも、話していただいたこと自体がとてもうれしいです。それがきっかけとなり、私自身も『どうしたらお役に立てるだろうか』と考える機会になります。そういう雰囲気づくりや関係性の構築は、大切にしているかもしれません」

北村さん

「そういえば、酒井さんには人事制度の見直しのときにも相談させてもらいました。コンサルティングパートナーとお話しするときもその場でいろいろと考えてくださって、結果的にスピード感を持って制度の見直しができ、本当に頭のいい方だなと思いました。今では、社内でもカオナビの認知度が上がり、Excelではなく、カオナビを使うことで効果的なアウトプットをできないかという発想になります。酒井さんは今、カオナビの担当者や人事だけでなく、うちの役員と話すこともありますよね?

酒井さん

「そうですね。さまざまなレイヤーの方たちと、接点を持たせていただいていますね。施策の責任者の方々がカオナビを活かしてもっと有効に実行できないかを検討してくださるがゆえに、こちらが積極的に提案という形で持ち込まずとも『こういうことをやりたいんだ!』という具体的なご意見を私にぶつけてくれます。やりたいことを実現するためにどんな活用方法が良いか、私も新しく考えるきっかけになるので刺激的ですよ、本当に」

カオナビを使った人事施策で「人的資本経営・従業員エンゲージメント大賞」を受賞。社内評価も上がる

北村さん

「先日の関西ワークスタイルカンファレンスで『人的資本経営・従業員エンゲージメント大賞』を受賞し、個人的には多くのユーザーさまがいる中で、推薦してもらえたことが本当にすごいことだと思っています。なぜ、推薦してくださったんですか?」

酒井さん

「定期的にやり取りさせていただいている中で、北村さんは本当に何事にも興味を持ってくれる方です。私の話に興味を持って聞いてくださっているなとずっと感じており、私も動いている施策に関連する情報はきちんとお伝えせねばと思いました。そのためには今まさにどのような施策が動こうとしているのか、教えていただきたいと思いながら、いつも打合せに臨んでおりました。とくに、人事課題とその基本的な方針を『人材の中の経営計画×カオナビ』とするなど、カオナビと人事施策をきちんと連動させながら先の構想まで考えていただいけているのが印象的でした。そして、キャリアの形成支援、それから人事制度の刷新、採用力の強化など、人事施策のPDCAを回している状態がとても理想的な事例だと思い、推薦しました。関西ワークスタイルカンファレンスでの受賞は、社内でも反響はありましたか?」

エイコーさまのカオナビと人事施策を連動させた取り組みはこちら

北村さん

反響は非常に大きかったですね。表彰のことは新聞にも掲載され、今年1月21日に行われた2025年度の方針発表の場でも、社長が『昨年はこういう表彰もいただきました』と改めて言及してくれました。賞状を持った私と社長の写真が、従業員がよく通るエントランスに飾られており、自然と社内認知につながっています。表彰される機会はそう多くないですし、このように大きな評価をいただいたことは、ありがたいことです。人事の取り組みが社内で認められたことで私たちのモチベーションも上がりましたし、今回の表彰の価値の大きさを改めて実感しました。本当に感謝の気持ちでいっぱいです」

酒井さん

「私も、表彰台に一緒に上がろうとお声がけいただいたときは、とても嬉しかったです!」

北村さん

「私から、声をかけましたよね。というのも、この賞は私と酒井さん、そしてカオナビの皆さんと一緒に獲得したことを舞台に上がるかたちで表現したいと思ったんです」

人的資本の可視化から、最終的に目指すのは「キャリア開発」

酒井さん

「改めて今後、カオナビをどのように活用していきたいですか?」

北村さん

「そうですね。カオナビの活用シーンは本当にアイデア次第でさまざまだと思います。まずは、人に関するあらゆる情報をカオナビに蓄積し、人的資本の可視化を行う。そして、最終的に私たちが目指すのは「キャリア開発」です。可視化された情報をもとに、従業員みんなが、自分のキャリアをカオナビ上で描けるようにしたいですね。そのためには、カオナビを活用するだけではなく、従業員自身が自分の強みを知り、今後のキャリアを描く力を鍛えなければなりません。カオナビの力を借り、400人いれば400通りのキャリアを可視化できると良いなと考えています」

酒井さん

「人的資本の可視化にとどまらず、従業員のキャリア形成にもカオナビを活かしていきたいんですね。カスタマーサクセスに期待することはありますか?」

北村さん

「カスタマーサクセスの皆さんが思っている以上に、HRの現場はカオナビなどのHRテックに助けられています。日々目の前の業務に追われていると、もしかしたら『自分たちのやっていることは本当に正しいのか?』『正しい価値を提供できているのか?』と考えることがあるかもしれません。ですが、少なくとも私たち人事は、カオナビのようなHRテックがあるおかげで業務が効率化され、本来やるべき仕事に注力できています。その価値を認識していただき、今後も前向きに業務に取り組んでもらいたいです」

酒井さん

「そう言ってもらえると、とっても励みになります!最後に、カオナビだからこそ気に入っている点があれば教えてください」

北村さん

エイコーとカオナビさんには似ているところがあると感じます。すごくしっくりとお仕事できるのを肌で感じるところがあって。その理由を考えてみると、本当に素敵な人材がたくさんいるからだと思います。長年一緒に仕事をするなかで、知っている方も増えました。 先日参加した『FACE to FES’25』でも、メールでしかやりとりしたことがなくても声をかけていただき、本当に魅力的な方が多いなと感じます。『エイコーの強みは何か?』と聞かれると、私たちの会社では多くの人が『人の魅力』と口にします。人の魅力こそカルチャーを構成する大事な要素で、それがしっかりと表ににじみ出る会社と、そうでない会社があると思うんです。その点、カオナビさんは前者ですよね。私たちが大切にしていることと、カオナビさんが創業以来育んできたカルチャーには共通点があるからこそ、一緒に仕事をしていてしっくり来るんだと思います」

編集後記

取材後、北村さんからは以下のような長文のメールまでいただきました。このメール内容からもわかるように、北村さんと酒井さんの良い関係性が垣間見える、取材でした。

“取材を受けながら、酒井さんとのこれまでのことを振り返り、なんだか、いろんなことが思い出されてしまいました。本当に今日は良い機会だったと思います。どれもこれも全部いい思い出ですね。

私がカオナビの皆さんにいつも一番お伝えしたいと思っていることは
多くの社員の皆さんに、これからもとにかく胸を張って仕事をしてもらいたい
私共がこのたび、カオナビさんに表彰のご推薦をいただけたことの心からの御礼と感謝の気持ち
この2つを今日、あらためてあの場を借りてお伝えすることができて何よりです。

加えて、これまで私どもをご担当いただき、支えてくださった酒井さんには一番の感謝感謝の気持ちです。ご縁って大切ですね。

どんな記事になるかはともかく、御社と弊社のお互いにとって、なんだかよい記事になりそうな気がすごくしています。これからも末長く、そして高い価値の創出を目指して前に進んでいけることを願っています”

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