面接ではなく”対話”が入社の決め手。憧れていた人事パーソンになった「今の私の心境」(前編)

自宅の収納の延長として利用することができる「トランクルーム」を全国展開する、株式会社キュラーズ。居住環境やライフスタイルの変化で市場はこの10年で倍増しており、今後も市場拡大が期待されるなか、業界のパイオニアとしてシェアトップを走り続けてきました。

そんな同社の人事総務部に所属する原さんは、採用のミスマッチをなくすために一人ひとりと丁寧に向き合う面接が決め手となり、中途で入社。元々は日本人として着物に携わることに魅力を感じ、呉服屋の販売員からスタートしたキャリアでしたが、そこからいかにして人事の仕事に辿り着いたのでしょうか。

後編では「志の継承」と話す今後の目標や、コミュニケーション課題の解決に向けた取り組みなどをご紹介

Profile

原 弥生

株式会社キュラーズ
人事総務部 アソシエート

新卒で呉服屋に入社後、販売員を経験した後、総務課へ異動。その後、採用や研修といった人事業務に携わりたいとの思いからキュラーズに転職。キュラーズでは人事総務部として、社内規定の理解促進や新入社員研修を担当するほか、コロナ禍でのコミュニケーション不足を解消するために月一回の社員交流会なども企画・運営している。

販売員から総務に異動。あらゆる部署を縁の下で支える役割がしっくりきた

原さんは新卒で呉服屋に入社されたそうですね。

原さん

「はい、当時は衣食住のなかの『衣』に興味があり、洋服や眼鏡などに関わる販売の仕事を志望していました。いろいろな会社を見ていくなかで、たまたま着物を販売する呉服屋に出会い、着物に携わることは日本人として生まれたからこそできることだと思い、入社を決めたんです。そして、1年目は販売担当として着物で店頭に立っていましたが、2年目に入り販売の業務に慣れてきたタイミングで、総務課へと異動になりました」

いきなり総務課に異動となり、戸惑いはありませんでしたか?

原さん

「驚きはありましたよ。ただ、社員の方が日常業務をスムーズに実施できるように、サポートする仕事は自分に向いているなと感じました。表に立つことが嫌いなわけではないんですが、でも販売で表に立つよりも、縁の下の力持ち的な総務の立ち位置は心地良いと思いました。総務は社内のあらゆる部署を支える仕事なので、販売員のときと比べて多方面に貢献できる感じが合っていたんだと思います」

総務課ではどんな業務を担当されたんですか?

原さん

「最初は上司のサポート業務がメインでしたが、そのうち社宅の管理などを専任で任されました。今思うと、総務課で社会人のイロハを学ぶことができましたね。総務の仕事はできて当たり前だから、若手だからって大目に見てもらえることはなく、ベテランも若手も同じ仕事で同じ成果を出さないといけないんです。例えば、120近くある店舗の店舗コードを暗記するのは当たり前。約1,000人の従業員の氏名の漢字・読み方を覚えるのは当たり前。そんな当たり前を、きちんとやるという仕事のスタンスを学んだんです。とくに、上司が仕事に対して目の前の仕事を一つひとつに丁寧に取り組む姿を見て、『あの人みたいになりたい』とも思いました

できるだけ時間をかけ、面接ではなく”対話”をする。キュラーズ入社の決め手

そこから、転職を考えるようになったきっかけは?

原さん

「総務課で3年半過ごし、今度は研修や採用といった人に直接何かを伝えたり、話を聞いたりといった人事業務に関わりたいと思うようになりました。総務になってから人事の方の業務をサポートするなかで間近で見る機会も多く、ほとんどの社員の方と接し、顔を覚えてもらえる人事の方にだんだんと憧れていったんです。ただ、総務から人事領域へとだんだん仕事をシフトしていきたいと考えていた矢先に、店舗への異動辞令が出ました。販売に戻るとなれば、自分のやりたい経験が積めなくなってしまう。会社が私に求めるものと、私がやりたいことは違うと感じ、そこで意を決して転職活動をはじめたんです。そのなかで、キュラーズはエージェントからの紹介で知りました」

入社の決め手は何だったのですか?

原さん

面接ですね。キュラーズの面接は、一人ひとりと、とことん向き合い、できるだけ時間をかけて対話をするんです。形式的な質問しか投げかけてもらえない会社もあるなか、こんな会社があるんだと驚きました。入社してわかったことですが、キュラーズではミスマッチを防ぐために、あえて時間をかけるスタイルを採用していました。一方的に面接されている感じがなく、お互いを理解するためにあくまでも対話している感じでした。そのため、自分のことを自然に語ることができました。そんな採用にかける熱意に惹かれたんです」

まだまだ経験が足りないから、他社人事の意見を積極的に聞く

そしていざ、キュラーズに入社されてからは、どのような業務を担当しているんですか?

原さん

「入社して最初の1年間は、上司が作成した研修計画に沿って業務を行いました。一つひとつ達成していけば、1年後、人事パーソンとして成長できる計画です。研修計画があると、1年後はこうなっていると先を見通せるし、成長の過程が可視化できるので安心しました。業務内容は、前職で担当していた総務領域のこともあれば、新たに学ぶ人事業務もあります。キュラーズでは、転職前から関わりたいと思っていた社員研修も任されています。憧れていた業務に携われているので、夢が叶ったといったら大げさかもしれませんが、やりたいことをやれている実感があります」


キュラーズが提供するトランクルーム。

入社してギャップは感じませんでしたか?

原さん

「イメージ通りでしたよ。先ほども言ったように面接というより対話だったので、ギャップが少なく転職して良かったと心から思っています。ただはじめての業務も多かったので、慣れるのに必死でしたね…。とくに大変だったのは社内規定の理解を深めるための小テスト作成と、読みやすくするための編集作業です。まず、私自身が規定の内容を人に説明できるくらい理解しないといけないこと。そして、小テスト作成ではどの部分の内容を、社員の方に重点的に理解して欲しいのか考えながら作らないといけないことが、とくに大変でした。また編集作業では、社内規定を読みやすいレイアウトや言葉づかいにするための案を考え、それを形にしてくれる外注先の選定から行ったんです。さらに正社員はもちろん、キュラーズの社員の6割は店舗スタッフで、年代もさまざまなので、正社員から店舗スタッフまで全員が読みやすく理解できるようなレイアウトにもこだわりました。でも、一つのものを自分の責任で作り上げていく過程は、とてもやりがいがありました」

新たな業務に携わるとき、これまで経験がないなかで、どうやって情報収集をしますか?

原さん

「上司や先輩のアドバイスはもちろん、週に1回のミーティングで、部内ブレーンストーミングをしています。それだけでは足りないので、外部セミナーに積極的に参加するようにしています。この前は上司の紹介で社会保険のセミナーを受講しました。セミナーでは他社の人事の方の意見に触れる機会もあり、抱えている人事課題に共通点を見つけたりと刺激をいただけるんです。まだまだ足りない人事経験を補うためにも、他社の意見も聞くようにしています」

続く後編では、コロナ禍以降、コミュニケーションの課題を解決するために原さんが取り組んだことや、『志の継承』と呼ぶこれからの目標について話を聞きました。

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会社概要

社名 株式会社キュラーズ
設立 2001年8月2日
事業内容 レンタル収納の所有と運営
従業員数 214名(2022年1月現在)
会社HP https://www.quraz.com/company/

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