「人事部の大野さん」と思ってもらえるのがうれしい。ようやく馴染んできた人事の肩書き

静岡県全域に店舗が点在している、トヨタユナイテッド静岡。3社の合併なども経て、顔と名前が一致しない人が増えたことで、社内コミュニケーションの活性化に課題を感じていたといいます。拠点が異なると、コミュニケーションがどうしても薄れてしまうという状況をどうやって打開しようと考えたのでしょうか。

後編ではそんな同社の人事課題や施策に加え、大野さんご自身の人事としてのやりがいや目標を聞きました。

前編では大野さんの幼少期の経験から人事に至る過程まで話を聞きました

Profile

大野 結香

トヨタユナイテッド静岡株式会社
人事部 労務健康グループ

高校卒業後、トヨタユナイテッド静岡の前身である静岡トヨペットに人事として入社。採用関連業務を経験後、出勤簿のデジタル化プロジェクトや3社統合にともなう制度やルール統合に携わる。現在は、労務管理とカオナビの運用がメイン。

静岡県全域に店舗が点在。研修や顔と名前の一致でコミュニケーション活性化に取り組む

現在、人事としてどういった業務に取り組んでいますか?

大野さん

「労務管理と、カオナビの運用がメインです。とくにカオナビでは『ワークフロー』にさまざまな申請を集約しており、その確認や管理を行っています。例えば通勤ルート変更や給付金申請などの対応、有給休暇の集計・取得状況の管理などを行っています。労務関連の業務は覚えることも多いのですが、昔から調べ物も好きで、私の性格と合っていると感じます。とくに労務に関する社員からの質問は、正しい回答のあるケースが多いため、あいまいな状態で答えずしっかりと調べて回答することを心がけており、この調べ物好きな性格が役立っていますね」

性格と業務がマッチしているのですね。自社の人事課題もお聞きしていいですか?

大野さん

「人材教育と社内コミュニケーションの活性化です。人材教育について研修の頻度を多くするようにしており、またインプットだけでなく普段は関わりのない社員同士のコミュニケーションの場としても機能しています。例えば等級が上がるタイミングでの研修では、同じ等級の違う職種の人が集まり、グループワークを行ったり決められたテーマについて話し合ったりすることに重きを置いています。1つのテーマについてみんなで話し合いながら考えたり、他のグループの発表を聞いたりすることで、教育的な側面だけでなく普段は会ったことのない人と交流を持つ機会になっています。また、社内コミュニケーションの活性化という点ではカオナビも役に立っているんです」

カオナビが、どう役立っているのでしょうか?

大野さん

「弊社は静岡県全域に店舗が点在しており、社長が店舗を訪れるときにはそこにいる従業員全員分の顔写真に名前や社歴、役職、仕事内容などの情報を紙で持って行ってました。それがカオナビの導入により、タブレットなどで簡単に顔写真や名前を見られるようになったんです。社長も見やすいと喜んでいますし、従業員の間でも各拠点のメンバーがすぐに確認できて便利だという声が挙がっています。また、ゆくゆくは休職している人もカオナビを見れるようにしたいと考えています。というのも、現在は会社からの発信などが社内ポータルに一元化されており、自宅からは見れないようになっています。そうすると、休職中の方は社内の情報を確認できず、復職後にインプットしなければいけない情報量も多くなってしまいます。人によっては育休や産休で2年以上休むこともあり、その間、会社がどう変わったのかを知ることができないのは不安ですよね。そこで『ラーニングライブラリ』などを使って、会社からの発信を動画や資料にまとめて休職中でも見られるようにしたいです」

カオナビの社内浸透などはスムーズに進みましたか?

大野さん

「なかには、紙じゃダメなのかという意見もありました。ただ、次第に便利さに気づいてもらえるようになっていきました。とくに店舗の従業員などはわざわざ紙に書かなくともスマホから各種の申請をあげられるようになりましたし、誤記入や記入漏れも減り、チェック側の工数も激減しました。申請の承認がどこで止まっているか、進捗も確認できるため『店長で止まっているみたいですけどその後いかがですか』など、リマインドもしやすいんです。新しいツールを導入する際、説明することも大事なのですが、やはり使ってもらって便利さを実感してもらうことで社内浸透が進んでいます

困ったときはいつでも人事の顔を思い出してもらいたい

改めて人事をしていて、やりがいに感じる部分はどこですか?

大野さん

「最初は労務管理のデジタル化から入ったので、ほかの従業員と話すことはあまりなく、人事という意識も薄かったように思います。でも、従業員から人事に寄せられる問い合わせ全般に対して、担当外だとしても回答できることを増やそうと考え、担当外の領域も勉強するようになったんです。ほかの担当に聞かないとわからないために待ってもらう時間を、できるだけなくしたいという意図もありました。次第に自分で返答できることが増えてきて『担当じゃないけど聞いてもいい?』と声をかけてくれる人も出てきたんです。そう聞かれるようになった頃から、人事としての自覚が強くなってきたかもしれません。『人事部にいる大野さん』という認識を、持ってもらえるようになったことが何より嬉しいんです」

ありがとうございました。最後に、これから人事として取り組みたいことを教えてください。

大野さん

「相談内容が小さなものから大きなものまで、困ったときの窓口として、私を含め人事部のメンバーを思い浮かべてもらえるようになりたいんです。ただ、安心して相談される存在になるためには、自分自身に余裕がなくてはいけません。そのためにも、人事部のメンバーに余裕が生まれるよう、カオナビの運用をはじめ業務改善や生産性の向上に取り組んでいこうと考えています。あとこれはすごく個人的な課題なのですが、人の話を聞くのが好きな一方で、自分のことを発信するのが苦手なんです…。もっと自分の考えていることを発信することも大事だと思っているので、今回のインタビューはすごくいい機会になりました!」

編集後記

聞き役になることが多く、発信するのが苦手と話していた大野さん。ですが、取材中はまったくそんなことを感じず、考えや思いがきちんと言語化されており、頭のなかにすっと入ってくるのが印象的でした。大野さんからはとくに「人のため」「従業員のため」という貢献したい思いを強く感じた、今回の取材。そうした思いが伝播し、「人事の大野さん」が、従業員の方にとってもっと身近な存在になって欲しいと感じました。

*本記事の掲載内容はすべて取材時(2023年11月22日)の情報に基づいています。

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会社概要

社名 トヨタユナイテッド静岡株式会社
設立 2021年4月(静岡トヨペット、カローラ東海、ネッツスルガの3社が合併して誕生)
事業内容 TOYOTA新車販売(パトカーおよび救急車は除く)、中古車販売・自動車整備・車両リース、各種保険・KDDI/au各代理店業務
従業員数 1,412名(2023年5月1日時点)
会社HP https://toyota-unitedshizuoka.co.jp/

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