システム導入が自らの存在意義を証明するきっかけに。失いかけていた自信を取り戻せた理由

人事に異動してから、就活時の会社説明会で憧れを抱いた上司と一緒に仕事ができるようになった田上さん。採用業務に携わることで、仕事もどんどんおもしろくなってきたと話します。

しかし、その後、育休などをきっかけに事務仕事がメインとなり、少しずつ人事としての存在意義を見失い始めてしまうのでした。そこからどうやって、自信を取り戻していったのでしょうか。後編では仕事にモヤモヤを抱え始めてから、 存在意義を見つけるまでの過程に迫ります。

前編ではマナックに入社し、人事の仕事にのめり込むまでの過程を聞いています

Profile

田上 由季

マナック株式会社
総務人事部 人事課

新卒でマナックに入社し、総務部門を経て人事に異動。給与管理や社会保険の手続き、採用業務などを担う。現在は『カオナビ』の運用をはじめ、就業規則改定や確定拠出年金の運用、健康経営に向けた福利厚生の管理、ストレスチェックの運用などを担当。

「これだけは自分にさせてほしい」自ら手を挙げた新システムの導入プロジェクト

現在は人事として、どのような業務を担当していますか?

田上さん

「現在は『カオナビ』の運用をはじめ、就業規則改定や確定拠出年金の運用、健康経営に向けた福利厚生の管理、ストレスチェックの運用などを担当しています」

2021年度からカオナビをご利用いただいていますが、導入から田上さんが進められたのですか?

田上さん

「そうです。評価運用を効率化するためのシステム導入の話が出たときに『これだけは自分にさせてほしい』と手を挙げました。私が進めると決まってからは、10社程度のシステムをピックアップし、それらを比較検討しながら最終的にカオナビに決めました。いろいろな企業の話を聞くなかで、一番担当の方が親身になってくれたのがカオナビだったんです。マニュアルがなくても使いこなせそうな、わかりやすい設定画面も導入の決め手になりました」

なぜ、「これだけは自分にさせてほしい」と手を挙げたのですか?

田上さん

「実はちょうどその頃、仕事でモヤモヤを抱えていたんです。もともと人と接する業務が好きだったのですが、育休などが重なったタイミングで人と接する業務から離れました。対話する機会が減少したことで、人事のなかでの存在意義を感じづらくなってしまっていて…。そんななかで、システム導入の話が浮上したんです。新しい取り組みにチャレンジすることで、少しでも気持ちの風向きを変えたいと思い、手を挙げました。そして、カオナビの導入から運用を担当した結果、評価運用の効率化に貢献することができ、ほかの従業員から認めてもらえる機会が増えたんです。見失いかけていた自分の存在意義の証明につながった気がしました。そんな機会をつくってくれたカオナビさんには本当に感謝していますし、本当に大好きなツールです!」

非常にうれしいお言葉、ありがとうございます。評価運用の効率化も進んだとのことでしたが、改めて導入後の変化や、従業員の方からの反響について教えてください。

田上さん

「カオナビはルールが明確かつマニュアルも整備されているので非常に使いやすく、当社でもスムーズに導入でき、業務の効率化につながりました。それまでExcelを使っていたので、人事が印刷して配ったり従業員側が印刷したりしなくてはならなかったんです。そうした手間がなくなったので、『カオナビにしてよかったですね』と従業員からも聞く機会が増えました。運用を開始する際には、従業員向けにマニュアルも配布しましたが、デジタル化への抵抗や反発も当社ではとくに発生せず、スムーズに導入できたと感じています。最近、総務部門の担当者から『カオナビを使わせて欲しい』と要望をもらう機会もあったのですが、担当者も『マニュアルを見ることなく、とても使いやすかった』と言っていました」

「田上さんが言うなら間違いない」その信頼を保ち続けたい

今、取り組んでいる人事課題にはどのようなものがありますか?

田上さん

「私個人のテーマとしては、業務の属人化を解消することです。カオナビによってそれを解消していきたいと考えています。最終的には人事が持っているデータをすべてカオナビのなかに集約することで、私以外の人であってもカオナビにアクセスすれば情報を見れるようにしていきたいです。人が関わることで起こるミスを減らすために、業務のシステム化もこれまで以上に進めて行きたいですね。また、人事部門全体としてはやはり、より働きやすい会社にしていきたいと考えています。個人としての欲求はあっても、会社に所属している以上、個人でやりたいことばかりに注力することはできません。しかし、そのなかでも会社も社員もバランスの良い状態で、働きやすいようにしたいんです。具体的には、人事制度の改定や定年後の継続雇用、女性や若年層の役職登用に取り組みたいです」

これまで人事としてキャリアを築いてきたなかで、普段、意識していることはありますか?

田上さん

「従業員の方に伝えるときは『そうだと思います』など曖昧な言葉ではなくて、『そうです』と言い切ることを意識しています。あいまいな返事で相手を不安にさせないためです。自信を持って答えるためにも、年金事務所や行政機関などの関係先に確認するなど、確実な情報だけを社員には伝えるようにしています。信頼を積み上げ、かつそれを保ち続けるためにも、絶対にミスはしてはいけないと考えており、上司とのダブルチェックも徹底しています。そのおかげか『ネットにもいろいろな情報が出ているけど、田上さんの教えてくれることは正確だから安心できます』と従業員の方から言ってもらうことがあります。こうした人の役に立てるところにやりがいを感じますね」

最後に、田上さんがこれから取り組みたいことがあれば教えてください。

田上さん

「自分の身近なことでお話すると、上司は自分の欲にとらわれずに長年人事として社員を支えてきました。なかなかその上司のようにはいきませんが、今後は自分が、相談しやすかったり従業員を支えたりできる存在になりたいと思っています。そうして上司の想いをマナックのなかで受け継いでいけるとうれしいですね。私個人としては、やっぱり若い頃の目標だった書道の先生をやってみたいです。マナックで、従業員の方とコミュニケーションを取る機会の多い人事の仕事についたことで、相手を想像したり話を聞いたりする力が身についてきたと感じます。その経験を活かし、定年後は書道の先生になれたらうれしいですね。そして、書道を起点に地域に根ざすようなコミュニティをつくりたいです」

編集後記

あまりこうしてインタビューを受けることがないと話しつつも、取材が始まると、終始笑顔で自分の考えを真正面にお話してくれるのが印象的だった田上さん。とくにカオナビの話になると熱が帯びてくるのが印象的で「カオナビの導入が存在意義の証明につながった」というのは大げさではなく、本当なんだなと実感した取材でした。取材の終わりには、もっと自分を表現する方法を勉強します!とおっしゃるほど反省が早い方で、その反省力が田上さんの挑戦するエネルギーになっているのだと感じました。

*本記事の掲載内容はすべて取材時(2024年6月28日)の情報に基づいています。

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会社概要

社名 マナック株式会社
設立 昭和23年5月
事業内容 難燃剤、医薬品、動物用医薬品、食品添加物、写真感光材料、高機能性材料、染料、香料など様々な分野の先端技術産業に原材料を供給。
従業員数 207人
会社HP https://www.manac-inc.co.jp/

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