私の人事スキルを証明したい。人事4年目で受験した理由と、データの利活用で戦略人事に取り組む今後のキャリア

「正解のないタレントマネジメントについて実績を証明する資格があれば嬉しい」というユーザーさまの声が後押しになり、スタートした資格制度「タレントマネジメントプロフェッショナル」。

正解のないタレントマネジメントに携わる人事のキャリアにも、正解はありません。そこで資格を取得した方に、受験の動機や感想はもちろん、これまでの人事経験や今後の目指す姿を聞くことでキャリアのヒントをお届けできればと思います!

今回お話を聞いたのは、特定保健指導・健康情報提供、メンタルヘルス対策などのサービスを提供する「SOMPOヘルスサポート」で人事を務める酒井さん。受験した経緯を入り口に、酒井さんが人事になった理由、今後のキャリアについて話を聞きました。

※資格制度「タレントマネジメントプロフェッショナル」の合格者インタビューと合わせて、人事としてのキャリア観もお聞きしています。

Profile

酒井 美里(さかい みのり)

SOMPOヘルスサポート
総合管理部 人事・総務グループ 課長代理

新卒でSOMPOグループに総合職として入社。コンプライアンス部や法務部を経て、サイバーセキュリティ関連を事業の1つとして営むグループ会社への異動。サービスを広めるためのマーケティングをメインで担当する。元々持っていた人事をやりたいという気持ちが膨れ上がっていき、2021年に希望して人事に異動。採用を中心に、「カオナビ」の運用にも一部携わり、グループリーダーとして2年間マネジメントも経験。その後、SOMPOヘルスサポートに異動し、現在に至る。

ダイジェスト

【受験の動機】

・SOMPOグループのカオナビユーザー会でチラシを見たのがきっかけ
何か人事としてのスキルを証明する資格を取りたいと思っていた

【受験した感想】

足りない知識を補う良い機会になった
・社内勉強会で、出題された問題を解説することもある
・合格者限定の交流会にも参加し、自分にはない新たな視点を得られた

【今後のキャリア】

データの利活用のスキルを身に付け、戦略人事に取り組みたい
・人事としてキャリアを積みながら、グループ横断での業務やプロジェクトに携わりたい
・グループ会社間でキャリアを構築するロールモデルになりたい

足りない知識を補う機会に。資格保有者の交流会では新たな視点も得られた

まずは、受験の動機を教えてください。

酒井さん

「認定資格のことを知ったのは、SOMPOグループのカオナビユーザー会に参加した際、チラシを見たのがきっかけです。人事になって4年目になるので、何か人事としてのスキルを証明する資格を取りたいと思っていたところでした。とくに、タレントマネジメントの資格は聞いたことがなく、興味を持ちました。詳細を見てみると、受験料が無料で何度でも受け直せるようだったので『これなら安心だ』と思い、受験しましたね。5月にBachelor(学士)を、7月にMaster(修士)を取りました。また、現在は、ほかの資格として、国家資格・キャリアコンサルタントの合格に向けて、勉強しているところです」

受験した感想を教えてください。

酒井さん

「いざ受けてみると、タレントマネジメントの考え方だけでなく人事関連の基礎知識を問う問題も多くてタメになりました。私は管理部門が長いものの、人事経験は4年目とまだまだ浅いので、自分の足りない知識を補う良い機会になりました。人事部内で定期的に勉強会を開催することがあるのですが、そこで出題された問題を解説することもあります。また、合格後は、資格合格者限定の交流会にも参加させていただきました。交流会は自分にはない新たな視点を得られたほか、人事の未来を作る活気あるメンバーと交流できて、とても有意義な時間だったといま振り返っても思います」


交流会時の集合写真。会の内容は以下をお読みください!
人事が”履歴書に書ける資格”をつくる。業界初の「タレマネ資格」を始めた背景と合格者の声

交流会も含めて、お役に立ったようでうれしいです!ここからは、酒井さんのキャリアについて聞かせてください。人事4年目ということで、それ以前のキャリアから教えてください。

酒井さん

「新卒でSOMPOグループに総合職として入社し、12年ほど、コンプライアンス部や法務部で仕事をしていました。元々、学生時代に、将来自分の役に立つようなアルバイトを探すなかで、たまたま見つけたのが、保険会社のコールセンターでのアルバイトでした。そこで働くうちに、損害保険に興味を持つようになり。大学でも損害保険に関するゼミを専攻し、就職活動でも損害保険会社を志望してSOMPOグループに就職したんです。入社当初は、営業や損害保険調査をやりたいと思っていたため、コンプライアンス部の配属は希望通りではありませんでした。しかし、当時はちょうどコンプライアンスが注目され始めた頃で、いろいろな施策が走り出したタイミング。コンプライアンス推進のための企画チームに配属され、地方の拠点でコンプライアンスにおける良い取り組みを取材し、社内外に広めるなどの企画をやるうちに、企画・管理部門の業務の楽しさを知りました。毎月のように出張して社内取材したり新しい企画を検討したりなど、生き生きとやりがいを持って働けていましたね」

膨れ上がってきた人事への想い。いつかは自分が若い人材を育てたい

人事になったきっかけを教えてください。

酒井さん

「元々、将来的に人事をやってみたいと思っていました。キャリア面談のシートにも、中長期的な異動希望先にいつも人事と書いていたんです。入社時は研修などで、人事の方にお世話になることが多いですよね。そのなかで自然と、人事部の先輩がすごく輝いて見えて、自分もああなりたいと感じたのがきっかけです。学生のときにアルバイトをしていたのもSOMPOグループだったので、愛社精神が割と強いほうだと思います。『いつかは自分がこの会社の若い人材を育てていきたい』とも考えていて、それが人事に携わりたいという想いにつながりました。とはいえ、いきなり人事部門にいくのは難しいだろうとも考えていて、コンプライアンス部門を長く経験した後、新しいことをやるために新規事業に携わりたいという希望をまずは出しました。結果、タイミングが合い、人事部門を経験する前に、新しく立ち上がったサイバーセキュリティ関連を事業の1つとして営むグループ会社への異動を挟みます。異動後は、サービスを広めるためのマーケティングをメインで担当しました。そして新規事業が落ち着いてきたタイミングで、元々持っていた人事をやりたいという気持ちが膨れ上がっていき、希望したところ、2021年に人事に異動しました。最初は、採用を中心に、また徐々に『カオナビ』の運用にも一部携わり、グループリーダーとして2年間マネジメントも経験させていただきました。その後、SOMPOヘルスサポートに異動し、また人事業務を継続しています。みんながみんな希望通りの異動をできるわけではないと思いますが、たまたま縁あってやりたいことができており、会社に対して感謝の気持ちでいっぱいです」

人事になって感じたギャップはありましたか?

酒井さん

「皆さんよく言うことかもしれませんが、人事のイメージは採用や教育が強かったのですが、いざ入ってみたら想像以上に幅広い仕事だと感じます。健康経営や制度面など、より大枠の部分を考える機会も多く、正解がないなかで難しくもおもしろい仕事だと思いますね。ただ、私は実行力や推進力は評価されることが多いものの、丁寧に調整したりリスクヘッジをしたりすることは不得意なタイプなんです。深く考えずに勢いで進めてしまうところもあり、弱みだと感じつつも、実行力を保ちつつ施策の精度を上げたいと考えています」

改めて、現在の仕事内容について教えてください。

酒井さん

「研修・教育のほか、前任地に続いてカオナビの運用にも携わっています。異動した当初は、SOMPOヘルスサポートでもカオナビを導入していたものの、全社公開ができていませんでした。そこで、もっと活用しようと、全社公開を進めています。前任地でカオナビの運用経験がある私が異動したこともあり、活用を加速させています。とはいえ、前任地では設計の企画はしても、具体的な設定はほかの方にお願いしていました。そのため、異動してきてから本格的に設定を経験するようになり、まだまだ試行錯誤の連続です」

キャリア迷子を経て、見えてきたやりたいこと。人事のキャリアを積みながらロールモデルへ

いま抱えているキャリアの悩みがあれば教えてください。

酒井さん

「少し前まで悩みを抱えていましたが、ようやく自分のやりたいことが見えてきたところで、現時点では大きな悩みがないのが正直なところです。人事になる前、完全にキャリア迷子だったと思います。というのも、長年コンプライアンス部・法務部で仕事をしてきたものの、法学部出身でもないので、この領域でずっとやっていく自信もなく、いまさら保険の営業もできないのではないかと不安な気持ちもあり、将来どうしようか悩んでいたんです。周囲にも管理部門でずっとキャリアを積んできた人がいなかったこともあり、相談できる相手もいない状況…。そのなかで異動を希望したのは、新しいことをやってみたい気持ちはもちろん、自分の強みを身につけたいと思ったんです。ただ、いざ新規事業の部署に行くと次第に『来たのはいいけど、次どうするんだっけ』という新たな悩みが生まれました…。こうした時期を経て、最近ようやく自分のやりたいことが見えてきました。1つは、人事としてキャリアを積んでいくこと。もう1つは、グループ会社2社の経験を活かし、グループ横断での業務やプロジェクトに携わることです。1つのグループ会社が行っている良い施策を全体に広めて、よりグループ全体を良くしていくような仕事ができればうれしいです。カオナビの活用事例を、グループ内でも進めていくことができれば、もっともっと人事業務は効率化するし、働く人の相互理解も進み、エンゲージメントにも好影響がありますよね」

酒井さんにとって、ロールモデルはいますか?

酒井さん

「ロールモデルがとくにいないことも、これまでのキャリアのなかで一貫した悩みでした…。もちろん社外を見渡すと、人事として有名な人などは目に入りますよ。そうした方々が持つノウハウを知ることは、大事だと思います。でも、コンプライアンス部・法務部を長年経験したり、比較的、自身が早くに出産したため同期がどんどん昇進する中で育児休暇を取ったりなど、当然、私と全く同じキャリアの人はいません。若いときにロールモデルがいないことを先輩に相談したら『あなたがなればいいのよ』と言われて、ハッとしました。なので、いまは自分がロールモデルになろうと考えています。キャリアは人それぞれで、まったく同じモデルが見つからないのはきっと自分だけではないですよね。時代によって法制度も社会も違うし、苦労や悩みは千差万別です。そんななかで、自分がロールモデルになるという意識で行動すれば、自ずとキャリアを築いていけるし、誰かの助けになるのではないかと思っています」

そんな酒井さんが、今後、人事としてスキルを高めていくためには何が必要だと思いますか?

酒井さん

データの利活用のスキルは欠かせないと思います。膨大な人事データを活用しながら、本人の希望も反映しつつ、従業員の方が働きやすいように人材配置をしたり、足りない人材を採用したり、そうした戦略的人事に取り組んでいきたいです。また個人のスキルとしては、弱みの克服が必要だと感じています。じっくり立ち止まって考えることがどうしても苦手なので、いまは思考力強化のために仮説思考やゼロベース思考など、さまざまなタイプの思考力を学んでいるところです」

最後に、人事としての目標を教えてください。

酒井さん

「グループ会社への異動を経験したからこそ感じることかもしれませんが、同じ会社・同じ部門にずっといると自分のキャリアの選択肢が固まっていたのかもしれません。少なくとも私は、グループ会社を含めて3社経験することで、視野がかなり広がりました。だからこそ、いろいろなキャリアの選択肢を選べることが大事だと思っています。カオナビの活用でも、前任地ではこうしていたから、この方法が良いのではといった提案ができますし、それが言わば別のグループ会社にとって必要なスキルになりうるわけですよね。このように良い施策や企画をグループ間でシェアする架け橋のような存在の人が増えていくと、組織全体が良くなると考えています。そのための手段として、グループ会社間を超えたコミュニケーション機会の創出や、気軽にキャリア相談できる場づくりにいつか取り組みたいですね」

グループ会社を越えて多様な業務に挑戦してきた酒井さん。今後は人事としてキャリアを積みながら、1人のロールモデルとしてほかの方の道筋を照らして欲しいと思います。

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会社概要

社名 SOMPOヘルスサポート
設立 SOMPOヘルスサポート株式会社
事業内容 生活習慣病予防事業/メンタルヘルス事業
従業員数 301名(2024年3月31日時点)
会社HP https://www.sompo-hs.co.jp/

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