最高の右腕になりたい。幼少期から持つ人をサポートしたい気持ちを軸にこれまで歩んだキャリア

「生協」を運営するパルシステムグループのデザインやコンテンツを統括する、株式会社パルシステム・リレーションズ。70名ほどの社員を抱える同社で人事を務めるのが、城戸瑞希さんです。1社目のITベンチャーで人事を経験した後、2社目で人の人生をサポートしたいという思いからウェディングプランナーへ転職し、そこで培った対話力や深掘り力を武器に、再び人事の道を歩み始めた城戸さん。今回はそんな城戸さんが現職の人事にたどり着くまでの過程に迫ります。

後編では、理想の人事像と本来の自分に抱くギャップや、現在取り組む人事施策について話を聞きました※11月22日公開予定】

Profile

城戸 瑞希

株式会社パルシステム・リレーションズ
管理部

大学卒業後、ITベンチャーに就職して法人営業に携わり、その後、社内異動で人事を経験。人の人生をサポートをしたいという思いからウェディングプランナーへ転職。2021年に、パルシステム・リレーションズに転職し、現在は採用のほか、育成研修、新入社員面談、社内の企画運営などの社内コミュニケーションに取り組む。

「あなたの笑顔が百貨店全体を明るくする」心に残るアルバイト時代にもらった一言

まずは、これまでの経歴から教えてください。

城戸さん

「2014年に大学を卒業した後、ITベンチャーに就職して法人営業に携わりました。その後、社内異動で人事を経験します。そして2017年頃、ウェディングプランナーへキャリアチェンジをしました。一度人事から離れたものの、その会社には人事以外の現場メンバーが面接をする仕組みがあったので、面接官は毎年していました。そして、2021年にもう一度転職し、パルシステム・リレーションズへ人事として入社して今に至ります」

就活の際、ITベンチャーを選ばれたのはなぜだったのでしょうか?

城戸さん

「実を言うと、本当は全日空(全日本空輸)に就職したかったんです…。航空業界の華やかな雰囲気や非日常的な空気感に、小さい頃から憧れていました。でも、やはり狭き門でなかなかうまくいかず…。そこで、ほかの企業にも視野を広げていくなかで出会ったのが、1社目のITベンチャーでした。入社の決め手としては、社長の人柄にも惹かれたのが大きかったです。一方で、文系だったので、ITのことはよくわからなかったし、営業の仕事も考えたことはありませんでした。でも、自分が苦手な領域を最初にやれば、その後のキャリアではどんなことでも乗り越えられるような気がして挑戦することに決めました」

実際に入社されてどうでしたか?

城戸さん

「大学時代に接客のバイトをしていたこともあり、人と接すること自体は楽しいと思っていたのですが、ビジネスでは目の前のお客さんに満足してもらうだけでなく、売上など組織のミッションを達成することが必要です。その折り合いをつけるのが大変でした。どうにかその折り合いをつけながら仕事に取り組んでいた頃、『人事のポストが空いたからどうか』と声をかけられ、人事へ異動することになりました」

人事という仕事に対して、当初抱いていたイメージとのギャップはありましたか?

城戸さん

「もともといずれやりたいという気持ちがあったんです。それは、学生時代に働いていた店舗のお客さまのとある一言がきっかけでした。そのお店は百貨店の入り口にあったのですが、ある常連さんに『あなたの笑顔が、このお店だけじゃなくて百貨店全体を明るくしてるんだよ』と言っていただいたんです。それがすごくうれしくて。そして、会社の顔である採用担当にも興味を持つようになりました」

もともと興味を持っていたんですね。人事として、当時、どのような業務に取り組まれたのですか?

城戸さん

「1社目の人事は一人だったので、人事の先輩もいない状態でした。右も左もわからないなか、外部のセミナーに参加したり、実際に業務を経験したりしながら仕事を学んでいきましたね。こうした試行錯誤から始まりましたが、採用計画の立て方や入社後のフォローも含めて、たくさんのチャレンジをさせてもらいました」

人から見えるところと見えないところ、両面あわせて仕事。ウェディングプランナーや人事を経て、得た気づき

その後、ウェディングプランナーへキャリアチェンジしていますが、転職の理由を教えてください。

城戸さん

「人の”人生”のサポートがしたくなったからです。もともと、人と関わることと誰かのサポートをすることにやりがいを感じるタイプなんです。小学校も中学校も、生徒会長ではなくサブ的な立ち位置で生徒会に入っていました。自分がリードするよりも最高の右腕になりたいというか、人や会社をサポートしたい気持ちが強いんです。その意味では人事も向いているのかもしれませんね。でも、ちょっと矛盾するかもしれないんですが、学級委員の経験もしてきたし、リーダーをしたくないというわけではないんです。何かが決まらない時間が嫌で、決まらないまま時間を過ごすくらいなら、と思って手を挙げて立候補してました。とにかく、悩んだり気を遣い合ったりして膠着している状態を解決したいんですよね。身近な例だと、飲み会でみんなが遠慮してしまって誰も何も頼めないときにも『じゃあとりあえずポテトと枝豆頼もう』とかパパッと決めてしまうタイプなんです。人の人生もサポートしたいし、こうした物事を決断して前に進めようとする力も活かせるのではないかと考え、ウェディングプランナーに挑戦することにしました」

これまでとはまったく違った仕事に思えますが、苦労はありませんでしたか?

城戸さん

「表は華やかな世界ですが、裏側は結構、体育会系なんだなと思った印象があります(笑)。体力仕事ですし、お客さまにとっては一生に一度のものなので、ちょっとしたミスも許されません。逆にいうとそのおかげで、仕事に対するプロ意識がこれまで以上に芽生えたと思います。あとは、人事と似ているところもあるというのが、気づきでした。結婚式で使うものの発注など、意外と事務作業も多いんです。人事も就活生から見ると、一見華やかそうに見えるかもしれませんが、意外と事務作業が多いですよね。でも、人から見えるところと見えないところ、両面あわせて仕事なんだなと思いました。また、人事の業務に通ずる経験も積めました。ウェディングプランナーって、すごくロープレをするんですよね。そのなかで、質問をしながらお客様の本当の気持ちを深掘りする方法を学びました。これは、人事として面接をしたり、従業員の方の話を聞いたりするときに活きています」

意外な共通点があるんですね。そこから、パルシステム・リレーションズに転職し、ふたたび人事に戻ろうと思ったのはなぜですか?

城戸さん

「2020年から始まったコロナ禍で、式場がほぼキャンセルとなり、仕事がなくなったのが大きな要因です。考える時間が増えるなか、もう一度、人事に戻りたいという気持ちに気づき、転職を決意しました」

こうしてパルシステム・リレーションズで、再び人事としての道を歩み始めた城戸さん。人事のやりがいやおもしろさを感じつつ、理想の人事像と本来の自分とのギャップに苦しむこともあるといいます。そのギャップとどう向き合っているのか。後編で聞きました。

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会社概要

社名 株式会社パルシステム・リレーションズ
設立 2000年7月25日
事業内容 コミュニケーション企画・運用支援、サービスの企画・設計・運営支援、コンテンツの企画・制作
会社HP https://www.pal-relations.co.jp/

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