人事の自分とプライベートの自分。理想と現実のギャップに対する悩みと救いとなった「他社交流」

ITベンチャーからキャリアをスタートし、ウェディングプランナーを経て、パルシステム・リレーションズで人事としての道を歩み始めた城戸さん。自らの意思で力強く歩みを進める彼女ですが、自分が描く理想の人事像と本当の自分とのギャップに悩むこともあるといいます。そんな葛藤を抱えつつ、人事としてどのように仕事と向き合っているのか、その心情に迫ります。

前編では、ITベンチャーの営業としてキャリアをスタートさせた城戸さんが、現職の人事になるまでの過程を聞きました】

Profile

城戸 瑞希

株式会社パルシステム・リレーションズ
管理部

大学卒業後、ITベンチャーに就職して法人営業に携わり、その後、社内異動で人事を経験。人の人生をサポートをしたいという思いからウェディングプランナーへ転職。2021年に、パルシステム・リレーションズに転職し、現在は採用のほか、育成研修、新入社員面談、社内の企画運営などの社内コミュニケーションに取り組む。

社内報の作成を通じ、若手と既存社員双方のコミュニケーション活性化を図る

現在の人事の仕事について教えてください。

城戸さん

「現在は採用のほか、育成研修、新入社員面談、社内の企画運営などの社内コミュニケーションに取り組んでいます。基本的に、後輩と私の2人で人事として実際の業務を行っているのですが、これまでと比べて仕事の幅がかなり広がりましたね!」

これまでの取り組みで、とくに印象的だったものを教えてください。

城戸さん

「若手育成のための取り組みです。当社では、3〜4年前から第二新卒採用をはじめ、若手採用に力を入れています。そのなかで、入ってきた若手社員にどんな先輩がいるのかを知らせたり、逆に入ってきた若手社員のパーソナリティを既存の社員に伝えたりするのが難しいという課題がありました。そこで、若手メンバーを中心に社内報を作ってもらい、そのコンテンツとして先輩の仕事を知るための社員インタビューを実施しました。若手社員自身がインタビューをすることで、先輩社員のことを理解できるとともに、コミュニケーションのきっかけになりました。また、直属の上司だとなかなか聞けないこともあると思い、斜めのつながりを活用して解決するべく、部署外の人にも相談できるメンター制度を開始しました」

カオナビの導入も、城戸さんが主導されたのですか?

城戸さん

「そうです。カオナビは、評価のExcel運用脱却と人事情報の一元管理を目的に導入しました。いまは『プロファイルブック(人材データベース)』『スマートレビュー(評価ワークフロー)』『ボイスノート(社員アンケート)』の3機能を主に使っています。なかでも、ボイスノートは研修報告書の提出や、研修の6ヶ月後に行う『研修を実際に業務にどう生かしているか』を質問するアンケートの回収に活用しています。この報告書やアンケートの目的は継続的なフォローです。研修で学んだスキルは身についているか、次はどんなスキルを身に付けたいかなどを上司と話したり自分で考えたりするときに活かしてもらえればと思います。また、スキル管理機能である『アビリティマネージャー』もこれから活用したいですね。当社には、デザイナーや編集者、Webディレクターなどの専門職が多く在籍しています。いまは、これらの職種に応じたスキルの評価指標がない状態なのですが、今後はスキルを適正に評価する仕組みが必要だと考えています。そうした専門職のスキルの可視化・評価でアビリティマネージャーを活用したいです!」

「理想の人事像」と「本来の自分」のギャップを埋めるのは、手を抜かないでやってきたという自信

城戸さんの人事としてのやりがいを教えてください。

城戸さん

「人事の仕事は、営業みたいに何件達成といった指標はないので、常に手応えを感じられるものではないとは思います。一方でやはり『ありがとう』『助かった』という、従業員の方からの一言一言がやりがいです。カオナビ導入もそうですが、人事として新しいことを推進するにあたって、既存のやり方に慣れている人が『いやだな』と思ったり、困ったりしないだろうかという不安は常にあります。でも、『あの取り組みよかったよね』『人事でもいろいろと楽しそうなことを企画してるんですね』と、ポジティブな言葉をもらえることも多くて、その度にすごくうれしい気持ちになるんです。一方で、人事担当者として理想と本来の自分とのギャップを感じることもあります」

具体的にどんなギャップですか?

城戸さん

「人事って、求職者の方や従業員の方からすると、説明会や面接などで会うことが多いぶん『明るくて華やかで、器が大きくて、人柄がいい』といった印象があるように思います。自分も元々はそんな印象を抱いていました。そして自分もそうなりたいと思っているのですが、人間である以上、足りない部分があるのは事実で、理想の人事像と自分の本来の人格とのギャップは、人事になったときから常に付きまとっていますね。おそらく、ほかの人事の方も多かれ少なかれそうだと思いますが…。でもこのギャップとは、自分がうまく付き合っていくしかないなと感じています。人事は、例えば採用であれば、採用できなかったときに『応募は来るけどフィットする人がいなかった』と言い訳することもできるし、採用目標をクリアするために、要件を満たさない人を採用することもできてしまう仕事に責任感を持ち続けないと、数字に流されてしまう職種でもあるんです。だからこそ、自律心を持ち続けるのが大切です。手を抜こうと思えばいくらでも抜けるけど、それをせずにモチベーションを保ち続けること。そして、手を抜かないでやってきたという事実が自信につながるし、それが理想と現実とのギャップを埋めることにもなるのかもしれないと考えています」

仕事の人格とプライベートの人格のバランスは、難しいですよね…。

城戸さん

「でも、こんなかっこいいことを言いながらも、人事は機密情報を扱うことも多く、社内で気軽に相談できないため、たまに孤独を感じることもあります…。そんなとき、カオナビのユーザー会に行けば、いろいろな会社の人事と交流できるし、刺激も学びも得られるので非常にありがたいです。例え課題が解決しなくとも、同じ悩みを持っている人がいるだけで心強いんですよね。これからも続けていただけると嬉しいです」

嬉しいお言葉、ありがとうございます!最後に、今後の目標を教えてください。

城戸さん

「人事はバックオフィスと言われますが、私が目指す人事はバックに留まるだけでなく、サポーターであると同時にリーダー的な役割も持つものです。 リーダー的な役割とは、人事という側面から会社の成長に貢献することです。そのためにも、採用や育成、マネジメント、いわゆる人材戦略をもっと学びたいですし、それを活かして社内に貢献していきたいですね。一方で、 離職防止やガバナンスなどの守りも強化したい。攻守両面に強い人事になることが目標です。そして、自分を含めた人事チームがいることで、『会社がこれから変わりそう』とワクワクしてももらえたら、とてもうれしいです!」

編集後記

サポートが好きだけれど、リーダーとして率先して手を挙げるのも苦ではないと話していた城戸さん。取材での話しぶりからも、誰かを支える柔らかさもありつつ、誰かを率いることのできる力強さの両面を感じました。さらに印象的だったのが、「手を抜かないことが自信につながる」というお話からも感じられる、ストイックな一面でした。やさしさだけだと周囲に飲まれてしまう可能性もある。そこに強さが加わるからこそ、自分の意思を宿しながら取り組みを推進していけるのだろうと感じた取材でした。

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会社概要

社名 株式会社パルシステム・リレーションズ
設立 2000年7月25日
事業内容 コミュニケーション企画・運用支援、サービスの企画・設計・運営支援、コンテンツの企画・制作
会社HP https://www.pal-relations.co.jp/

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