コミュニティをきっかけに40代で初転職。戦略的な資格取得とデジタルバッジの活用で切り開くキャリア

IT企業に21年間勤めた後、社外コミュニティでのつながりをきっかけに、40代で初めて株式会社ソルパックに転職した森嶋孝輔さん。現在はコーポレート本部 副部長として、経営企画、人事、総務、セールス・マーケティングまで、幅広く統括しています。

そんな森嶋さんは「カオナビ」の導入をきっかけに、認定資格「タレントマネジメントプロフェッショナル」を受験してくださった合格者のお一人なのですが、これまでにも数多くの資格を取得されています。

その証拠に、オンライン上で資格の保有を証明する「デジタルバッジ」をこれだけの数、取得しています。

話を聞くと、自己研鑽やスキル証明だけに限らず、資格を「会社のビジネスを加速させる戦略的ツール」と位置づけ、活用されてきたそう。さらに、デジタルバッジによってこれまでの実績が可視化しやすくなったことで、講演依頼も来るようになったと言います。

このように戦略的に資格を取得してきた森嶋さんに、「タレントマネジメントプロフェッショナル」の受験動機やデジタルバッジの活用方法、さらにこれまでのキャリアについて話を聞きました。
※この記事は「タレントマネジメントプロフェッショナル」の合格者インタビューと合わせて、キャリア観もお聞きしています。

Profile

森嶋 孝輔

株式会社ソルパック
コーポレート本部 副本部長

株式会社ソルパック コーポレート本部 副本部長。JTP株式会社(旧・日本サード・パーティ株式会社)でテクニカルサポート業務を経て、マネージドサービスの新規リリース、セールスチームの立ち上げ、執行役員などを歴任後、現職へ。現在は、経営企画、人事、総務、セールス・マーケティングまで幅広く統括する。

ダイジェスト

【受験の動機】

・カオナビを導入するからには、システムやタレントマネジメントの知識を知っておく必要があると思った
・資格はインプットとアウトプットの両方が出来る機会で、客観的な証明にもなる

【受験した感想】

・付与された「デジタルバッジ」は、第三者機関から認められたことの証明になる
・単にスキルを証明するだけに限らず、キャリアに活きるような広がりも期待している

【今後のキャリア】

・経営、事業責任者、社員、三者の目線で最大のパフォーマンスを発揮できる環境をつくりたい
・100人いれば100通りのキャリアパスがあり、この多様性を受けとめ、会社の成長につなげたい

デジタルバッジのような客観的な証明が、お客様の信頼に直結する

森嶋さんはカオナビ導入後、タレントマネジメントの認定資格「タレントマネジメントプロフェッショナル」も受験してくださいました。受験の動機を教えてください。

森嶋さん

「私自身、人事経験があるわけではないのですが、カオナビを導入するからにはそのシステムの知識や、タレントマネジメントの知識を一定、知っておく必要があると思いました。そんな知識習得の一環として資格は、インプットとアウトプットの両方が出来る機会で、さらに客観的な証明にもなる。だからこそ、せっかくなら受けてみようという気持ちでした」

また、森嶋さんは合格者の方々に付与している「デジタルバッジ」の取得欄を見ると、過去、IT系を中心に数多くのデジタルバッジを取得されているのですね…!

森嶋さん

「私が多くの資格、特にIBM関連のものを取得しているのは、会社のビジネス上の理由が非常に大きいです。当社は日本IBM社のビジネスパートナーでもありますが、パートナーとして認定を受けるためには、『このデジタルバッジを保有している技術者や営業が、社内に〇人いること』などの基準が設定されているものもあります。それを満たすために取得した。これが、正直なところですね」

個人のスキルアップだけでなく、会社の事業戦略に直結する重要なミッションだったのですね。

森嶋さん

「その通りです。デジタルバッジは、単に『〇〇ができます』という自己申告ではなく、第三者機関から客観的に認められたスキルであることの証明です。特に我々のようなBtoBのビジネスでは、この客観的な証明がお客様からの信頼に直結します。資格を持つ社員がいるという事実は、会社全体の技術力や信頼性の証となるんです」

ほかにも、デジタルバッジを保有することで感じているメリットはありますか?

森嶋さん

「個人としても、デジタルバッジを取得していることがきっかけで、コミュニティでつながった方がたまたまSNSを通じて取得履歴を見てくれて、講演依頼につながったこともありますFacebookやLinkedInといったSNSですぐに共有できる手軽さは、紙の認定証にはない、デジタルならではの大きな魅力ですよね。自分のスキルをオープンにすることで、予期せぬチャンスが舞い込んでくる可能性がグッと高まります。特に人事の方々って、自分のスキルを証明する手段が他の職種と比べ、圧倒的に少ないように感じます。それは、業務の幅広さや正解がない領域だからこそだと思いますが、カオナビの『タレントマネジメントプロフェッショナル』にも、単にスキルを証明するだけに限らず、きちんとキャリアに活きるような広がりを期待しています」

一年で交換する名刺の数は数枚程度。社外コミュニティへの参加が転機に

森嶋さんの20年以上にわたるキャリアのなかで、ターニングポイントとなった出来事はなんですか?

森嶋さん

「転職も大きな出来事でしたが、それ以上に転機となったのは、社外のコミュニティに足を踏み入れたことです。私が新卒で入社して、社会人として初めて働いていた部署は、24時間365日体制のテクニカルサポートでした。基本的にお客様とのやり取りはトラブルやお問合せがあった際の電話やメールを通じてで、キャリアをスタートしてから10年近くは直接的な社外との接点がほとんどなかったんです。一年を通して交換する名刺の数も、両手で数えられるくらいでした。そんな閉じた環境だったからこそ、『他の会社はどうしているのだろう?』という好奇心が芽生えました。そしてその好奇心に突き動かされるままに、テクニカルサポートを通じて馴染みのあった技術コミュニティに参加してみたんです。その一歩が、私のキャリアをガラリと変えました」

社外とのつながりが、キャリアにどう影響を与えたのでしょうか?

森嶋さん

「まず、世界が広がりました。コミュニティには、経営者もいれば、私と同じように現場のポジションで悩みを抱えている方も参加されていました。このような場に足を踏み入れたこと自体が刺激的でした。何より大きかったのは、社外に相談できる相手ができたことです。会社の役職が上がれば上がるほど、社内で相談できる相手は減っていきます。部下にはなかなか悩み事を相談できませんし、横を見ればライバル、上はどんどんいなくなっていく。役職が上がるのと比例するように、孤独を感じるようになっていました。そんな悩みを打ち明けづらい環境から一転、『今、こんな課題を抱えているんだけど、どうやって解決したらいいだろう』と気軽に投げかけると、的確なアドバイスをくれたり、『私はこうやって解決したよ』と自身の経験を共有してくれたりする仲間ができました。それが答えに直結することもそうでないこともありましたが、他者の視点をきっかけに自分の考え方を見直すことができたり、悩みを聞いてもらうことで心が軽くなったりと、コミュニティには非常に助けられました。実は、21年勤めた会社を辞めて転職するという大きな決断に至ったのも、このコミュニティでのつながりがきっかけだったんです。現在の会社の社長とは、あるコミュニティの役員同士であり、意気投合したのをきっかけに入社を決めました。」

とはいえ、20年以上勤めた会社からの転職は、相当な勇気が必要だったかと思います。改めて、入社した経緯も具体的に教えてください。

森嶋さん

「実を言うと、転職を決めたのは半ば勢いでした(笑)。前職では一般社員から執行役員まで経験し、ITサービスのライフサイクルにおける様々な業務も一通り経験しました。上場企業で社内規定などもきっちり整備されていたこともあり、『できあがった環境の中でやれることはやりきったかな』という感覚を持つようになっていたんです。だから、『発展途上の中堅企業で、今までの経験をもう一度なぞるような仕事ができないかな』と、コミュニティの集まりで何気なく呟いてみたんです。 それに反応してくれたのが、ソルパックの社長でした。『未上場で制度設計などに今ちょうど取り組んでいて、まさに発展途上にある』という話を聞き、『それなら自分のこれまでのキャリアやスキルを活かせるかもしれない』と、飛び込むことを決めました」

個人のキャリアと会社の成長が一致する環境をつくる

入社から約一年が経ちますが、現在はどのような仕事をしていますか?

森嶋さん

「入社してから1年間は『社長室』所属で特定の部署に所属しないまま、経営会議や取締役会に参加しつつ、社内全体の状況を俯瞰して把握する役割を担っていました。今はコーポレート本部に所属し、経営企画、人事、総務、そしてセールス・マーケティングの推進と、幅広い領域を担当しています。最近だと、中期経営計画の策定に取り組んでいます。当社は売上の多くが物販とSES(システムエンジニアリングサービス)で、エンジニア1人が1ヶ月稼働した場合に支払われる費用に依存するビジネスモデルです。会社としては売上100億円を目指していますが、採用難の世の中で、SES事業だけでこれを達成することは現実的ではありません。売上の4〜5割をストックビジネスで構成する必要があります。それを実現するためのプランを組み立てるべく、今は各事業部の状況把握をしつつ、AI活用や人的資本戦略、社員の長期的な働き方も考慮した具体策へと落とし込もうとしている最中です」

人事業務においては、タレントマネジメントシステム「カオナビ」も導入したかと思います。カオナビを選んだ経緯を教えてください。

森嶋さん

「元々、タレントマネジメントシステムの導入を検討し始めたきっかけは、長年Excelで行ってきた評価制度の運用が限界を迎えつつあることでした。事業が多岐にわたる中で、いかに全社的に共通の評価指標、評価基準の元で公平な評価を行うかが一番の課題でした。そこで、事業部や年度が変わっても一貫した基準で評価できる仕組みづくりのために、ツールの導入を検討することとなりました。カオナビは前職でユーザーとして使っていたので、非常に良いツールだとは知っていました。ただ、正直に言うと、当社のような規模の中小企業が使えるような価格帯ではないと、はなから諦めていたんです。なので、導入検討の初期段階では、検討リストにも入っていませんでした。むしろ社内では『いつかカオナビを導入できるような、利益を出せる会社にならないとね』というのが合言葉でしたから(笑)」

それが一転、導入に至ったのは何がきっかけだったのでしょうか?

森嶋さん

「検討するなかで『見積もりを取るだけならタダだから、憧れのツールの話を一度聞いてみよう』と思ったのがきっかけですね。私たちはまったく知らなかったのですが、ちょうどそのとき、カオナビがキャンペーンを実施されていたんです。機能説明などを一通り聞いた後、恐る恐る価格を聞いて驚きましたよ。当時、我々が比較検討していたカオナビより機能が簡易的で、追加開発も必要な他社のツールよりも、カオナビのほうが安かったんですから。『それならカオナビを選ばない理由はないだろう』とすぐに導入を決めました。他社ツールを一生懸命検証していた時間は一体何だったんだ、という感じでしたね」

カオナビで解決したいと考えていた課題は、評価運用以外にもありましたか?

森嶋さん

「データの整理や利活用にもつなげたいと考えていました。導入以前は、Excelの評価シートにあらゆる情報が詰め込まれてしまっていました。単年の目標設定や評価はもちろん、キャリアプラン、所持している資格情報、さらには会社への意見や従業員満足度まで、すべてが1枚のシートに書かれていたのです。これでは、データの利活用が非常に難しい。例えば、社内でAWSの資格を持っている人を知りたい場合、全社員分のExcelシートを一つひとつ開いて確認していかなければならないわけです。これは非常に非効率ですよね。また、社員から会社への意見は非常に貴重な情報であるにもかかわらず、評価シートと同じ場所に書くとなると、どうしても直属の上司の目が気になってしまい、本音を書くことは難しいでしょう。これらのさまざまな情報を機能ごとにきちんと分離し、必要なときに必要な人がすぐに可視化・活用できるデータベースを構築したい。これもカオナビ導入で目標としたことでした」

最後に森嶋さんが今後、会社で挑戦したいことについて教えてください。

森嶋さん

「今、当社が抱える一番の課題は、経営、事業部長、そして社員、この三者の目線で、いかにして最大のパフォーマンスを発揮できる環境を作るか、という点に尽きると思います。人事や経営の目線では、可視化されたデータを活用し、会社の成長につながる施策を打ちたい。一方で、現場の社員たちは、日々変化する世の中で、自問自答しながら自分のキャリアを築いています。AIのような新しい技術が登場し、働き方そのものが根底から変わろうとしている中、会社としてその成長をどうサポートできるか。100人いれば100通りのキャリアパスがあり、家庭の事情などで思うように働けない時期もあるでしょう。この多様性をどう受けとめ、いかにして会社の成長につなげていくか。そして、その間に立つ事業部長は、多様な働き方をするメンバーをマネジメントしながら、事業の数字も作っていかなければならない。この三者それぞれの想いや立場を、どうやって一つのベクトルに合わせていくか。その点『カオナビ』のようなデータを可視化して分析するツールは、三者をつなげるハブになると思っています。このツールをどう活用し、社員一人ひとりの成長と事業の成長を強く結びつけていくのか。そこを真剣に考えていかなければいけない時期に来ていると感じています」

森嶋さんの話を聞いていると、社内で培ってきた経験をベースに、社外コミュニティや資格をうまく活用しながら、キャリアを切り拓いてきた印象でした。そんな社内での経験を証明する手段として、ぜひ「タレントマネジメントプロフェッショナル」や「デジタルバッジ」を活用してみてください。

気になる企業の人事と気軽に情報交換できます!

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会社概要

社名 株式会社ソルパック
設立 1997年9月17日
事業内容 IBM Power Systems(AS/400)コンサルティング・開発導入・運用・コンバージョン・サービスなど
従業員数 419名 (2025年4月1日現在)
会社HP https://www.solpac.co.jp/

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